【12月5日 AFP】(更新)米国と旧ソ連間で冷戦(Cold War)期に締結された中距離核戦力(INF)全廃条約をめぐり、米国は4日、ロシアが60日以内にINF条約を再び順守しなければ米国は同条約から離脱すると警告し、ロシアに順守を要求した。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官はNATO外相会議の後、「米国はきょう、ロシアが同条約の重大な違反を犯していると宣言」し、ロシアが完全かつ検証可能な形で条約を再び順守することがない場合、米国は「条約の義務の履行を60日後に停止する」と表明した。

 また北大西洋条約機構(NATO)は4日、ロシアのINF全廃条約違反を非難するとともに、米国が離脱すると警告している同条約を維持できるかは「ロシア次第」であるとの見解を示した。

 NATO加盟29か国の外相は、ベルギーの首都ブリュッセルでの協議後に出した共同声明で、「われわれはロシアに対し完全かつ検証可能な形で条約を再び順守するよう要請する。INF全廃条約の維持は今やロシア次第である」と述べた。

 NATOはロシアが過去5年間に開発・配備したミサイルシステムについて、INF全廃条約の違反に当たると指摘している。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は10月、同条約からの離脱を表明し、皆が「正気に戻るまで」米国の核兵器の備蓄を継続する考えを示した。それでも3日には「大規模で制御不能な軍拡競争」と呼ぶ事態に歯止めをかけるため、中ロ首脳との協議を提案した。(c)AFP