【11月28日 AFP】消滅の危機にある世界最大のサンゴ礁、オーストラリアのグレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)で、科学者たちが過去最大規模のサンゴ再生プロジェクトに着手した。年1回のサンゴの産卵期に合わせて数百万個の卵と精子を採取する。

 研究員らは28日、採取した卵から幼生を育て、グレートバリアリーフのサンゴ生息域に戻す計画を発表した。グレートバリアリーフは気候変動が原因のサンゴの白化現象により、著しく損傷している。

 プロジェクトを率いる一人、豪サザンクロス大学(Southern Cross University)のピーター・ハリソン(Peter Harrison)氏は「大規模な幼生育成・移植の全過程がグレートバリアリーフのサンゴ礁に対して直接実施されるのは、これが初めてだ」と述べ、「数百平方メートルを回復させる予定で、将来的にはこれまで試みられたことのない数平方キロメートルの規模にまで拡大することを目指す」と発表した。

 全長2300キロにわたるグレートバリアリーフのサンゴ礁では、気候変動による海水温度の上昇が原因で白化現象が進んでいる。特に北部区域では、2016年と17年に深刻な白化現象が発生。2年連続という前例のない事態を受け、サンゴ礁が回復不能なまでの被害を受けた恐れがあると懸念が高まっている。(c)AFP