【11月15日 AFP】太陽に最も近い単一の恒星を公転している「スーパーアース(Super Earth、巨大地球型惑星)」を発見したとする研究論文が14日、発表された。地球近傍の系外惑星の研究に光を当てる革新的な発見だという。

 惑星は、太陽系からわずか6光年の距離にある赤色矮星(わいせい)のバーナード星(Barnard's Star)を公転しており、現在のところ「バーナードスターb」と呼ばれている。地球から2番目に近い太陽系外惑星で、主星の周りを233日で1周するという。

 発見した研究チームは、惑星を「凍結した、薄暗い天体」と表現し、地球の3.2倍以上の質量を持つと説明。銀河系のスケールで考えると、実質的には太陽系の裏庭にあるような近さにあるとしている。

 バーナードスターbは主星の比較的近くにあるにもかかわらず、主星から受けるエネルギーは地球が太陽から受けるエネルギーの2%足らずしかない。推定される表面温度はマイナス170度で、地球上で知られているような生命を維持することは難しいと考えられる。

 スペインのカタロニア宇宙研究所(IEEC)と宇宙科学研究所(Institute of Space Sciences)に所属するイグナシ・リバス(Ignasi Ribas)氏は、「主星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)から外れているのは間違いないため、液体の水は存在しない。水やガスがあるとしても固体状である可能性が高い。凍結した惑星と呼んでいるのはそのためだ」と説明している。

 リバス氏と研究チームはバーナードスターbを見つけるために、7種類の異なる観測機器によって得られた20年以上分の観測データを詳細に調査した。

 研究チームは、惑星の重力が主星に及ぼす影響を調べるためにドップラー効果として知られる現象を利用した。この手法は、惑星の速度と質量を測定するために用いることができる。

 研究論文は英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。