【11月15日 AFP】男子テニス、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)は14日、4日目が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)に6-4、6-1で勝利し、4強入りを決めた。

 今大会で2015年以来となる通算6度目の優勝を目指しているジョコビッチは、この日の2試合目でマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)がジョン・イズナー(John Isner、米国)を6-7(2-7)、6-3、6-4で下したことを受け、11回目の大会出場にして8度目の準決勝進出が決まった。

 初戦でイズナーに勝利したジョコビッチは2018年の下半期に特筆すべき復活劇をみせており、今大会を制することができれば、最高の形で自身の一年を締めくくることになる。

 ジョコビッチは16日のラウンドロビン最終戦でチリッチと対戦し、初戦でそのチリッチに勝利したズベレフはイズナーと顔を合わせる。

 昨年は、負傷や個人的な問題で選手キャリアに支障を来す恐れがあった31歳のジョコビッチは、成功に対する野心を失い、全盛期を過ぎたという批判に悩まされていた。

 しかし、ジョコビッチはウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)と全米オープンテニス(The US Open Tennis Championships 2018)を制してそうした悪夢を見事に払しょくしてみせると、世界ランキングで1位に返り咲き、史上初めて九つあるマスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)の全制覇を達成した。

 2012年以降、ファイナルズでわずか2敗しかしていないジョコビッチは「ジョン・イズナーとの初戦よりも難しかった。第2セットの中盤からうまくプレーできた、ラケットを振り抜きボールを打つようにした」と話している。

「ズベレフのファーストサーブは強力だが、第2セットに入ってその成功率が落ちた。そこにつけこむことができた。彼のアンフォースドエラーが増えたことも、勝利の手助けになった」

「これから家族と充実した時間を過ごし、ラウンドロビンの最終戦に向けて準備するつもりだ」

 ジョコビッチは自身が準決勝に進めるのかを知るのに数時間待たなければならなかったが、結果的にチリッチが逆転勝利を収めたことで4強の座が確定した。

 第5シードのチリッチはファイナルズの過去10試合で9敗を喫しており、第1セットをイズナーに奪われると、またも期待はずれな結果に終わるかに思われた。

 しかし、2016年大会で錦織圭(Kei Nishikori)から大会唯一の勝利を収めていたチリッチは、残り2セットを連取し逆転でイズナーを下した。

 この逆転勝利により、チリッチは準決勝進出の望みをつなげた。一方、第8シードのイズナーも2連敗を喫してはいるものの、4強入りにわずかながらも可能性を残している。(c)AFP/Steven GRIFFITHS