【11月12日 AFP】オーストラリアでは英国のヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)の訪問後、英王室と関係を断ち共和制に移行する提案の支持率が過去25年で最低に落ち込んだことが、12日発表の世論調査結果で明らかになった。王子夫妻の豪訪問は大成功を収めたといえる。

 世論調査「ニュースポール(Newspolls)」によると、オーストラリアの共和制移行を支持する人の割合は、10月のヘンリー王子夫妻訪問前に行われた調査結果から10ポイント減少し、40%となった。

 一方、植民地時代の名残で英国王を国家元首とする立憲君主制の廃止に反対すると答えた人は、調査対象1800人中、48%に上った。立憲君主制の継続支持が共和制移行の支持を上回ったのは、1999年に実施された共和制移行の是非を問う国民投票以来となる。

 来年予定される豪総選挙での政権奪還が有力視されている野党・労働党は12日、選挙に勝利した暁には共和制移行をめぐる国民投票を再度行うと発表した。ただ、今回の世論調査結果を見ると、またもや共和制移行が否決される可能性が高そうだ。

 5月に結婚したヘンリー王子とメーガン妃は、夫妻そろっての初海外公式訪問でオセアニアを歴訪し、熱烈な歓迎を受けた。メーガン妃の妊娠報告と共に始まった2週間の旅程では、同妃が恥ずかしがる幼児を抱き上げたり、手製のバナナブレッドを干ばつ被災地ダボ(Dubbo)で振る舞ったりと、英王室の慣習を度外視した親しみやすさをたびたびアピールし、人々を魅了した。(c)AFP