【10月30日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)で負傷棄権したラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)の復帰戦となるパリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2018)で世界ランキング1位に返り咲く可能性がある。

 ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)も3年ぶりに同大会でプレーする可能性があるが、四大大会(グランドスラム)通算20勝の王者は出場可否について30日に発表すると述べている。フェデラーは前週のスイス・インドア(Swiss Indoors Basel 2018)で通算99度目の優勝を飾ったが、けがやスケジュールの事情から2015年を最後にパリ・マスターズには出場していない。

 ジョコビッチも昨年のパリ・マスターズを欠場し、10年以上ぶりに世界ランキングでトップ10から陥落していたが、今年6月の時点で22位にまで順位を落としていた同選手は、直近の28試合で27勝という成績を収めて今大会に乗り込む。

 フラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン)で14度目のグランドスラム制覇を果たしたジョコビッチは、「全米オープンと上海マスターズ(2018 Shanghai Rolex Masters)では、いつものように良いプレーができた」と振り返った。「だから今は、テニスや勝負そのものをとても楽しんでいる。これだけ多くの試合に勝利できれば、たくさんの自信を得られたのは明らかだから」

 しかし、長引く肘の故障からの回復に苦しみ、著しいパフォーマンスの低下を見せたことで、今後に関して疑いが生じたのはつい数か月前のことだ。ジョコビッチは全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2018)で4回戦敗退となった後に手術を受けると、自らも認めているように復帰を急いだが、その後は自信を失うような早期敗退を立て続けに喫した。

 それでもジョコビッチは、長期戦になったナダルとのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)準決勝を制すと、決勝ではケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)に勝利し、2016年の全仏オープン(French Open 2016)以来となるグランドスラムタイトルを獲得した。

 その後はフェデラーを下してウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2018)で優勝し、マスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)全制覇を達成した。

 現在31歳のジョコビッチは「チームはこの4、5か月で成し遂げたことにとても満足している」と話し、「ラファが負傷して中国でプレーしなかったことなどもあり、ランキングで彼に接近し、最終ランキングで1位を目指せる位置につけている」と続けた。

「もちろん今はそのことを認識しているし、それを成し遂げるために全力を尽くすつもりだ」「今は最高のテニスができていると本当に思っているし、どんな時でも成長の余地はあると考えている。しかし、今は非常に高いレベルでプレーできていると実感している」 (c)AFP/Martyn WOOD