【10月26日 AFP】(写真追加)中米から米国を目指す数千人の移民集団(キャラバン)が北上を続けている問題で、米国防総省は25日中にも米メキシコ国境に800人規模の米軍を派遣する見通しだ。米当局者2人が25日、AFPに明らかにした。

 米メキシコ国境には既に州兵約2000人が展開し、国境管理を支援している。米軍はこの増援として全米の複数の基地から派兵されるとみられる。

 AFPの取材に応じた米当局者によると、ジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官は25日か26日に派遣命令に署名する見通し。米軍は主にテントや車両、機器類などを提供する後方支援を行う予定で、医官や技官も派遣される。今回の派兵は国境管理を担当する国土安全保障省の要請に基づき、軍の支援を必要とする「希望事項」を満たすのが目的という。

 これに先立ちドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は25日、ツイッター(Twitter)への投稿で、「民主党に触発された」法律が国境管理を難しくしていると主張した上で「この国家非常事態に際し、軍の投入を進めている。彼らを食い止める!」と宣言。

 さらに「キャラバンの人々よ、引き返せ。米国に不法入国はさせない。母国に帰れ。そして(米入国を)希望するのなら、何百万人もの人々がしているように市民権を申請せよ!」とツイートした。民主党の巻き返しが予想される米中間選挙を目前に控え、強硬な移民政策を掲げるトランプ氏はキャラバン問題に繰り返し言及し、最重要ニュース扱いを連日続けている。

 13日にホンジュラス北部サンペドロスラ(San Pedro Sula)を出発したキャラバンは現在、メキシコを北上中。国連によると、規模は7000人に膨れ上がっているとみられる。(c)AFP/Thomas WATKINS