【10月21日 AFP】インドで祭りを見物していた群衆に列車が高速で突っ込み、約60人が死亡した事故で、鉄道網への安全性をめぐり当局に怒りを募らせた犠牲者の遺族が20日、現場となった線路上で抗議行動を起こした。長らく問題を抱えているインドの鉄道網では、大きな事故が相次いでいる。

 今回の事故は19日夜、ヒンズー教の祭りが行われている最中に発生。仕掛け花火で燃え上がる悪魔の王ラーバナ(Ravana)の人形を見ようと線路上に集まっていた群衆に、ジャランダール・アムリツァル(Jalandhar-Amritsar)急行の列車が時速90キロで突っ込んだ。

 インドの鉄道網では事故が絶えず、毎年数千人の死者が出ており、惨事を受けて安全改革を求める声が再び高まっている。

 事故現場近くでは20日、抗議行動があちこちで起こり、数十人の抗議者が地元当局と事故車両の運転士に対する処分を求めた。運転士は警察の事情聴取を受けている。

 インド鉄道省で国有インド鉄道(Indian Railways)を所管するマノジ・シンハ(Manoj Sinha)閣外相は、同鉄道に過失はなかったと述べ、運転士を含む職員への処罰を否定している。

 同閣外相はニューデリーで記者らに対し、「われわれの側に過失はなく、運転士に処分は科されない」と言明。「列車はスピードに乗って走っていただけだ」と述べた。(c)AFP/Narinder Suri