【10月16日 AFP】若い消費者たちがビールやカクテルの代わりに、マリフアナや大麻入りドリンクを求めるようになれば、世界の大手酒造会社もその「大麻現象」を無視することはできないだろう。

 すでにそれを商機として捉えた会社もある。ビール「コロナ(Corona)」やウオッカ「スベッカ(Svedka)」などの製造と販売を手掛ける米酒類販売大手コンステレーション・ブランズ(Constellation Brands)はそうした会社の一つ。カナダの大麻栽培会社キャノピー・グロース・コーポレーション(Canopy Growth Corporation)に40億ドル(約4500億円)をすでにつぎ込んでいる。

 来る大麻市場について、「次の10年間に最も著しい成長機会が期待できる市場の一つ」と語るのは、コンステレーション・ブランズのロバート・サンズ(Robert Sands)最高経営責任者(CEO)だ。同氏によると、合法大麻とその関連製品の販売高は、向こう15年以内に2000億ドル(約22兆4000億円)に達し、当初予想されていたよりも「ずっと速く市場が開けている」という。

 ウルグアイに続く世界で2番目の国として、カナダは17日、娯楽目的の大麻使用を解禁する。

 隣接する米国では、連邦法で大麻を違法と位置づけている。ただ、米9州が州法の下で娯楽目的の大麻使用を合法化しており、また他の州も近年、禁止を緩和する方向で動いている。

 そのような状況において広がりをみせているのが、大麻の新しい消費方法だ。キャンディーや焼き菓子、アイスクリームといった食品形態、あるいは噴霧器を使った吸引や軟膏といった形での使用もある。飲料もその一つだ。

 米ブルームバーグ(Bloomberg)によると、ウイスキーの「ジョニーウォーカー(Johnny Walker)」やウオッカの「スミノフ(Smirnoff)」といった蒸留酒ブランドをもつ世界的な酒造会社のディアジオ(Diageo)は現在、カナダの大麻生産者と協議を進めている最中だという。

 ビールメーカーのモルソン・クアーズ(Molson Coors)も、カナダの大麻生産販売会社ハイドロポセカリー(Hydropothecary)との合弁事業を発表した。