【10月5日 AFP】性的暴行疑惑が波紋を呼んでいる米連邦最高裁判所判事候補の指名承認手続きで、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が指名したブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏が承認される公算が高まったことを受け、米連邦議会議事堂(Capitol Hill)前で4日、数千人が怒りの抗議デモを展開し、300人が警察に逮捕される騒ぎとなった。

 首都ワシントンの連邦地裁前を起点とするデモ行進には、大勢の女性たちが参加。「女性の声を聞け」「カバ・ノープ」(カバノー氏の名前と「無理」を表すスラングをかけたもの)「不適格」などと書かれたプラカードを掲げ、カバノー氏を嘘つきと呼びながら連邦最高裁前の階段まで歩いた。

 女性たちはさらに議事堂内のハート上院議員会館(Senate Hart Building)にも入り込み、アトリウムで座り込みの抗議を展開した。

 デモ参加者は全米から集まっており、地元選出の議員に面会して陳情する人もいた。デラウェア州から来た女性(55)は、「きっとカバノー氏はビッグ・オールド・ボーイズ・クラブ(権力を持つ男性たちの排他的集団)の一員だから、何があっても守ってもらえるのでしょう」と憤慨した。

 米共和党の上院議員らは4日、連邦捜査局(FBI)による調査ではカバノー氏の性的暴行を裏付ける証拠は見つからなかったと発表。今週末にも上院で指名承認の採決が行われる見通しだ。(c)AFP/Michael Mathes and Chris Lefkow