【10月10日 AFP】太陽光発電は、アフリカ大陸の主要な発電手段となる可能性を秘めているが、蓄電池がその妨げになっている。貧しい国々で使うには、値段が高すぎるためだ。

 世界銀行(World Bank)は9月26日、蓄電池の問題を解決するため、10億ドル(約1130億円)を投資すると発表した。これにより、世銀以外から40億ドル(約4520億円)の投資を呼び込めると見込んでいる。このプロジェクトで世銀は、2050年までに開発途上国の蓄電量を4.5ギガワット時から17.5ギガワット時に拡大する計画。

 アフリカ大陸では太陽光の発電量は十分だが、大半の地域で午後5、6時ごろに日が沈むため、継続的に電力を供給するための蓄電技術が重要となる。

 世銀のエネルギー・プラクティス部門責任者リカルド・プリーティ(Riccardo Puliti)氏は、アフリカにとって太陽光発電は「見逃せない」エネルギー源で、アフリカの国々に恩恵を与えると指摘する。また、世銀による投資は、未成熟な市場を後押しし、「好循環」を作り出す狙いがあり、バングラデシュなどアジアの開発途上国も恩恵を受けると言う。

 リチウム電池も利用できるが、主に電気自動車(EV)のために製造されているのが現状だ。世銀は、村ぐらいの規模に適していて、夜間の7~8時間供給でき、極端な気温の変化に耐えられ、維持管理をほとんど必要としない、手ごろな価格の蓄電池を想定している。

 蓄電池はコストが問題になる。現在、先進国で流通している蓄電池は最も良い製品で、容量1キロワット時あたり200~300ドル(約2万2600~3万4000円)ほどの価格で販売されている。一方、開発途上国では法外に高く、1キロワット時あたり400~700ドル(約4万5000~8万円)の値段が付けられている。

 世銀は、今後数年で、これらの価格を下げることを目指している。(c)AFP