【9月28日 AFP】米政府のジェームズ・ジェフリー(James Jeffrey)シリア特別代表は27日、イランがシリアで存在感を維持する限り、米国もシリアにとどまると表明した。ただ、米国の果たす役目は必ずしも米軍の関与を伴うとは限らないとしている。

 このところ米高官からは、イランに対抗するため米軍が無期限にシリアにとどまる可能性を示唆していると受け取れるコメントが相次いでいた。ジェフリー氏の発言は、この点について明確に答えたものだ。

 ジェフリー氏は国連総会が開かれているニューヨーク国連本部で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はイラン部隊をシリアから排除することを米軍のシリア撤退の条件にするのかと記者団に問われ「大統領は、先方の条件が整うまで、われわれをシリアにとどめておきたい考えだ」と答えた。

 その上で「『われわれ』とは、必ずしも米軍が戦場に立つということではない」と指摘。「われわれが現場にとどまる方法は、たくさんある。われわれは間違いなく、外交的に現場にとどまる」と述べたが、現在のところいずれの選択肢も確定してはいないと付け加えた。

 米軍のシリア駐留は、もともとバラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の打倒を目的に承認したものだ。従って、対イランを目的とするのは任務の大幅な変更を意味する。

 米国は現在シリアに約2000人の兵士を駐留させ、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権に抵抗するアラブ系シリア人勢力とクルド人部隊の両方に軍事訓練や助言を中心に活動している。

 対イラン強硬派のジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は24日、シリア問題について「イラン軍がイラン国外で活動する限り、われわれは撤退しない」と述べていた。(c)AFP