【9月26日 AFP】フランスの裁判所は先週、公共の場での性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)を罰する新法下で初めての有罪判決を下した。25日の司法当局発表によると、バスの中で女性を侮辱した上に暴力を振るったとして、男に罰金刑が言い渡された。

 パリ南郊エブリー(Evry)の検察当局によると、19日夜、明らかに酔った男(30)がバスに乗り込み、21歳の女性に目をつけた。男は女性の尻をたたいて「売春婦」と呼び、さらに女性の胸の大きさについて口にしたという。

 女性はバスの運転手に訴え、運転手は男を逮捕できるように警察が来るまでバスのドアを開けなかった。

 裁判所は21日、先月成立した反ハラスメント法に男の発言が違反するとして、男に罰金300ユーロ(約4万円)を科した上、身体的虐待の罪で禁錮3月を言い渡した。

 新法は、女性の容姿や服装に関する不適切な発言や冷やかし、立ち入った質問、女性の後をつけまわすこと、女性のスカートの中の隠し撮りといった言動に対し、その場で罰金を科すことを認めている。

 仏司法省報道官はAFPに対し、「フランス国内で性的な侮辱行為に有罪判決が下された初めての例だ」と述べた。(c)AFP