【9月24日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が23日、オーストラリアのテレビ番組に出演し、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)決勝の騒動からの「前進」を目指していると話した。その一方で、性差別があるという意見は曲げず、コーチングで違反を取られたことには今も当惑していると明かした。

 全米オープンでセレーナは、マーガレット・コート(Margaret Court)氏の最多記録に並ぶ四大大会(グランドスラム)シングルス通算24勝の記録が目前に迫り、「夢のような瞬間が近づいてきている」のを感じていた。

 ところが大坂なおみ(Naomi Osaka)との決勝で、セレーナはコーチングの警告を取られたことをきっかけに、カルロス・ラモス(Carlos Ramos)主審と激しく言い争い、「盗人」や「うそつき」などの暴言を浴びせて最終的に1ゲームを失うペナルティーを科された。試合に敗れた後には、性差別があったとの不満もぶつけた。

 それから約2週間が経つ中、グランドスラム通算23勝のスーパースターは、23日夜に放送された豪テレビ局ネットワーク・テン(Network Ten)によるインタビューの中で、改めて男女の扱いの差を指摘し、女子は「男子の半分のことをやっただけで」問題視されると話した。

 セレーナは「現時点で、私たちは同じ立場にないことが証明されている」と言いつつ、「ただ、重要なのはそこではない。とにかく今は、あの出来事から立ち直って前へ進もうとしている」と続けた。

 さらにセレーナは、警告を取られたコーチングについても言及。プレーヤーズボックスに座っていたコーチのパトリック・ムラトグルー(Patrick Mouratoglou)氏は指示を送っていたことを認めているが、セレーナはコーチの手ぶりは見ていなかったと主張し、ムラトグルー氏がコーチングを認めたのは「本当に訳の分からない瞬間だった」と話した。

「彼には『コーチングって、一体何を言っているの?』と尋ねた。私たちはサインなんて用意していないし、サインを送り合ったこともない。だけど手を動かしたと言うから、私はこう言った。『あなたは手を動かしたと言い、コーチングをしましたと触れ回っているわけ?意味が分からないし、納得できない』と」 (c)AFP