【9月16日 AFP】(更新、写真追加)大型で強い台風22号(アジア名:マンクット、Mangkhut)の直撃を受けたフィリピンで、少なくとも49人が死亡したことが分かった。

 被害の集計が始まったばかりの同国では16日、警察の報道官が更新情報を公表。土砂崩れによる犠牲者の遺体が新たに発見され、前回公表時には30人とされていた死者数が49人に増加したことを明らかにした。

 今年発生した中で最も勢力が強いとされる台風22号は15日、フィリピン北部のルソン(Luzon)島に上陸。ルソン島の農業地帯は冠水し、強風で木が倒れ、豪雨により数十か所で地滑りが起きた。ルソン島北部のバガオ(Baggao)では強風で住宅が倒壊したり屋根を飛ばされたりしたほか、道路はあちこちで水に漬かり、地滑りで寸断されたところもある。

 台風22号は勢力を弱めたが依然として風速50メートル前後の強風を伴っており、人口が多い中国南部沿岸に向かっている。

 香港は16日朝、雨と強風に見舞われた。香港の気象台は、台風22号は17日正午(日本時間同日午後1時)ごろ香港の南約100キロを通過する恐れがあるとして警戒レベルを最高に引き上げた。

 香港の対岸に位置し、昨年の台風13号(アジア名:ハト、Hato)で12人が死亡するなど大きな被害を受けたマカオ(Macau)では15日夜、同地にある42のカジノのすべてがしばらくの間休業するという初の措置が取られた。普段は観光客でにぎわうマカオだが16日朝は人通りも少なく、市内の至る所で企業や店舗の建物が板で覆われたり、土のうが積まれたりしていた。

 中国本土南部の都市、陽江(Yangjiang)などでも警戒が強められている。(c)AFP/Purple ROMERO