【9月11日 AFP】時計の針は午前9時を指しているのに、感覚としては午前7時のように思える経験をしたことはないだろうか──。血液で人の体内時計を1.5時間の誤差で測定する検査方法の開発に成功したとする研究論文が10日、発表された。

 米ノースウェスタン大学(Northwestern University)による研究は、将来的にひとりひとりの身体に合わせた医療、いわゆる「テーラーメード医療」に寄与する可能性を秘めた技術だ。米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に論文が掲載された。

 研究では、体内時計が不規則になると、アルツハイマー病や心臓病、糖尿病などに関係することが示されている。またこれまでにも、化学療法や血圧の薬などの一部の医学的介入について、ある一定の時刻に行うことでより高い効果が得られる可能性が示唆されていた。

 今回、ノースウェスタン大学の研究チームは、実験参加者73人から1100以上の血液サンプルを採取。サンプルは2時間ごとに採取され、1日の間に遺伝子の活性がどのように変化するかを調べた。この方法によって、人の体内時計のずれを最大2時間の幅で調べることを可能にした。

 研究では、73人のすべてのデータをコンピューターで処理した。するとあるパターンが現れた。「アルゴリズムから分かったのは、約40のマーカーによって、その人の体内時計をかなり正確に測定できる可能性があるということ」と研究チームは主張。このアルゴリズムを利用することで、2回の採血だけで人の体内時計を調べるのに十分な情報が得られるとした。

 ただし、この血液検査が一般化されるまでには、さらなる研究が必要とされる。(c)AFP