【9月9日 AFP】地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」の実施に向けた国連(UN)の気候変動会議が行き詰まる中、世界各地で8日、各国政府に地球温暖化対策の強化を求めるデモが行われ、大勢の人々が参加した。

 世界の90以上の国で行われた1000近い抗議デモでは主に、地球を温暖化する天然ガスや石油、石炭から再生可能エネルギーへの転換の加速と、気候変動によって過酷さを増した異常気象や海面上昇の影響を最も強く受ける人々の保護という2つの主張がなされた。

 米サンフランシスコで行われたデモでは、大勢が街中を行進し、シュプレヒコールを上げたり手作りのプラカードや横断幕を掲げたりした。多くのスローガンは米政府に向けたもので、パリ協定からの米国の離脱を表明し、前任者のバラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領が導入した気候関連政策の廃止に前向きなドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領をあからさまに非難する「民主主義を守れ:プーチンの犬を弾劾せよ」というものもあった。

 フランスで行われたデモには、最大11万5000人が参加。同国で行われた環境デモとしては最大となった可能性があるという。国連の気候変動会議の開催地であるタイ・バンコクでは、海面上昇によって生活が脅かされている漁師ら数十人がデモを行った。デンマークの首都コペンハーゲンでは、警察発表で1万人以上、ベルギー・ブリュッセルの欧州議会前でも1300人がデモを行った。

 オーストラリアのシドニーでは、大型帆船を使ったデモが行われた。フィリピンの首都マニラでも800人以上がデモを行い、同国の石炭への大きな依存に抗議した。インド北部では、教員や学生約1万人がデモを行い、森林破壊の中止を求めた。

 サンフランシスコでは、今月12日から3日間にわたって世界気候行動サミット(Global Climate Action Summit)が開催され、地方政府や都市、企業が参加する。このサミットは、トランプ大統領の行動に対し、明確な抵抗の意思を示すものだ。(c)AFP/Marlowe HOOD, with AFP bureaus worldwide