【9月2日 AFP】トルコの最大都市イスタンブールで1日、1980~90年代に治安当局に拘束された後、行方不明になっている市民の母親たちが1995年からほぼ毎週行ってきた抗議集会が警察により開催を阻止された。

 トルコでは軍が実権を掌握した1980年のクーデター後の混乱期や非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」と政府の闘争が続いた1990年代に、多数の市民が違法政治活動などの理由で治安当局に身柄を拘束されたまま行方が分からなくなっている。

 人権活動家らは、政府とPKKや極左過激派組織らとの闘争の最中に起きた市民の失踪には政府が関与していたとみている。

 行方不明者の母親たちは、1995年以降ほぼ毎週、政府に公正な調査を求める抗議集会を行ってきた。集会は土曜日に開催されてきたことから、母親たちは「土曜日の母たち」と呼ばれている。

 しかしイスタンブール当局は、非合法であるPKK関連のソーシャルメディアを通じて参加者を募っていたとの理由で同集会の開催禁止を通告。警察はこれを受けて1日、母親たちの集合場所となっているガラタサライ広場(Galatasaray Square)やイスティクラル通り(Istiklal Avenue)付近にバリケードを設置。集会の開催を阻止した。

 1週間前の8月25日、集会は700回目を数えたが、この時の集会は治安部隊が放水砲や催涙弾を用いて強制排除し、数十人が一時拘束された。(c)AFP