【8月24日 AFP】米グーグル(Google)は23日、イランとつながりのある誤情報拡散活動に関わっていたとして、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」などの傘下サービスで数十件のチャンネルやアカウントを停止したと発表した。

 オンラインサービス各社は現在、誤った情報を広めようとするロシアやイランからの活動を阻止するため取り組んでおり、今週にはフェイスブック(Facebook)とツイッター(Twitter)も関連アカウント数百件の停止を発表していた。一連の情報拡散活動は、11月の米中間選挙を前に不和と混乱を広めることを目的としているとみられる。

 グーグルが今回停止したのは、ユーチューブのチャンネル39件、ブログサービス「ブロガー(Blogger)」のアカウント6件、交流サイト(SNS)「グーグルプラス(Google+)」のアカウント13件。同社は、米サイバーセキュリティー会社ファイア・アイ(FireEye)と協力し、対象アカウントと国営イラン放送(IRIB)のつながりを突き止めたと説明。IRIBによる工作は遅くとも2017年1月には始まっていたとした。

 グーグルは、ファイア・アイからの情報提供に加え、イランの活動に関与した疑いのある「より幅広い行為者」に対して調査を実施。関連する政治的コンテンツなどの調査結果を米国の議員らや法執行機関に通知したとしている。

 さらにグーグルは、国家の支援を受け行われたフィッシング攻撃を検出・阻止したと発表。攻撃の手口は、同社が運営する無料メールサービスの利用者に対し偽のメッセージを送信し、パスワードなどの情報を開示させるもので、「国家の支援を受けた行為者ら」によって「世界中の政治団体、記者、活動家、研究者ら」が狙われたとした。

 ほかにもグーグルはここ1年間、ロシア政府が支援する企業インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)と「つながりのある行為者」への対策を強化してきたと説明し、IRAの活動に対する監視の結果、ユーチューブのチャンネル43件、ブロガーのアカウント1件を排除したと明らかにした。

 ファイア・アイは23日に詳細な調査報告書を発表し、誤情報拡散活動の発信源がイランであるとの見解に自信を示した。報告書では証拠として、電話番号、ウェブサイト登録情報、イランの政治的利益に適合するコンテンツ拡散行動の奨励などを挙げている。(c)AFP