【8月15日 AFP】(更新)イタリア北部ジェノバ(Genoa)で高速道路の高架橋が崩落した事故で、救助隊は14日から15日にかけ、夜を徹してがれきに埋まった生存者の捜索を行った。現地メディアは15日朝、マッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)内相の発言を根拠に推計として8~12歳の子ども3人を含む35人が死亡、12人が重体と報じた。

 地元で「モランディ(Morandi)」と呼ばれる橋は大雨に見舞われた14日、200メートル以上にわたり崩落。橋を走行していた35台の車と複数のトラックと共に45メートル下の線路に落下した。

 救助隊は投光照明を使って夜通し積み重なったがれきを捜索しており、イタリア政府が「計り知れない悲劇」と表現する事故の死者は今後さらに増加する恐れもある。

 救助隊は生存者をヘリコプターで引き上げる作業を行っているが、犠牲者は多数いるとみており、消防隊員のエマヌエレ・ジフィ(Emanuele Giffi)さんは「望みは捨てていない、すでに多くの人々をがれきの下から救出した」「最後の一人を発見するまで終日捜索に当たる」とコメントした。

 橋を走行していたモロッコ人トラック運転手のアフィフィ・イドリス(Afifi Idriss)さんは、他の車やトラックが落下する中なんとか停車できたといい、「目の前の緑色のトラックが停止し、バックで走行してきたので運転をやめ、ドアをロックして走って逃げた」と述べた。

 今回の崩落事故は2001年以降に欧州で起きた事故としては最悪の規模。地震による被害が多く、インフラが低迷する経済の影響を受けているとされるイタリアでは橋の崩落が相次いでいる。(c)AFP/ Vincent-Xavier MORVAN