【8月14日 AFP】中国・香港の独立を求める活動家の陳浩天(アンディ・チャン、Andy Chan)氏は14日、香港外国特派員協会(FCCHK)が企画した一方、中国当局が中止を求めた講演を行い、同国について、香港を「併合」し「破壊」しようとしている帝国だと非難した。

 香港独立を訴える小規模政治団体「香港民族党(Hong Kong National Party)」を率いる陳氏は中国について、半自治権を有する香港の「宗主国」と評した。中国当局の怒りを招くのは必至だ。

 陳氏は大勢の聴衆が詰め掛けたFCCHKの講演会場で、香港という国は「中国によってたちまち併合され破壊されようとしている」と指摘。同氏は、講演会前の期間、見知らぬ集団に尾行されたり、家族の自宅のドアをたたかれたりして、自身に対する「監視」が強まっていると訴えている。

 香港は、英中間で結ばれた返還合意に基づき、中国本土にはない言論および集会の自由を享受している。

 しかし習近平(Xi Jinping)国家主席が中華再興の鍵として領土の一体性を強調する中、中国政府は香港の独立へのいかなる言及も容認しない姿勢を強めている。

 今回、会場前には香港独立の支持派と反対派双方のデモ隊が集結。独立派は、集会用の場所が与えられなかったとして警察と衝突。一方で反対派数十人はシュプレヒコールを上げた。

 香港における言論の自由への風当たりが強まっているという懸念が広がる中、「香港民族主義:中国統治下の香港における不正確な政治的指南」という題目で行われた陳氏の講演に対して、中国外務省と林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)香港行政長官は異議を唱えていた。

 しかしFCCHK側は、いかなる議論においても異なった立場の見解を聞かなければならないとして、講演会実施の判断を翻さなかった。(c)AFP