【8月1日 AFP】イングランドサッカー協会(FA)は7月31日、試合中に不適切な行動を取った監督に対し、選手同様の罰則を与える意向を示した。

 イングランドでは新シーズンから、プレミアリーグを除く上位のプロ大会で監督に対するレッドカードとイエローカードの提示が試験導入される。プレミアリーグでは監督にカードが提示されることはないが、口頭で警告を与えられるようになる。選手へのカードと同様に警告は累積され、ベンチ入り禁止処分にもつながる。

 警告の対象となるのは、「明らかな抗議や審判団の決定に影響を与えようとする行為」で、これにはペットボトルを蹴ったり、投げたりする行為のほか、皮肉を込めた拍手、カードを要求するしぐさなどが含まれる。

 警告を4回受けた監督は1試合のベンチ入り禁止処分となり、8回で2試合、12回で3試合にわたり指揮することができなくなる。なお、16回でFAの規律委員会によって処分が下される。選手へのカードとは異なり、監督に対する警告は、多くの場合で一定の試合数が経過しても消えない。

 イングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)のトップを務めるショーン・ハーヴェイ(Shaun Harvey)氏は、ベンチやテクニカルエリア内での振る舞いを規制するルールは昔からあったが、今回の案はファンに対して懲戒手続きをより明確にするためのものだと述べた。

 審判はこれまでも不適切な行動を取った監督を退席させることができたが、今後はレッドカードの提示によって何が起きているのかをより明確にできる。

「より透明性を高め、テクニカルエリア内での振る舞いがより良いものになればいいと考えた」というハーヴェイ氏は、審判は必要であればコーチングスタッフ全体に警告することもできると明かし、「これはドラマをつくり出すためのものではない。監督の振る舞いをこれ以上悪化させないようにするためのものだ」と付け加えた。 (c)AFP