【6月18日 AFP】メラニア・トランプ(Melania Trump)米大統領夫人は17日、米国に不法入国した移民の子どもを国境で親などの保護者から強制的に引き離すことを認める「ゼロ・トレランス(容赦なし)」政策を中止するよう求めた。メラニア夫人が政治的な発言を行うのは異例。

「ゼロ・トレランス」はドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が導入した厳格な国境警備政策で、5月初めにジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官が発表した。難民認定を申請中であってもメキシコ側から不法入国した移民は全て国境で逮捕するというもので、未成年者は不法移民の収容施設に送ることができないため、親などの保護者と引き離すことを認めている。

 過去6週間で2000人近い子どもが保護者と引き離されたと政府が発表したことを受け、政策への批判が過熱。17日が「父の日」ということもあり、共和、民主両党の議員からも非難の声が相次いだ。

 トランプ大統領自身は、引き離し政策は中止したいと述べつつ、移民をめぐる危機の責任は野党・民主党にあるとの主張を繰り返している。政策を批判する人々は、トランプ氏自身が招いた状況だと指摘している。

 こうした中、いつもは政治の領域に踏み込むことのないメラニア夫人が、トランプ政権の政策を批判こそしないものの、移民対策の改善案を共和、民主両党で協議するよう求めたことが明らかになった。

 メラニア夫人の広報責任者ステファニー・グリシャム(Stephanie Grisham)氏は、米CNNに対し「メラニア夫人は、子どもたちが家族から引き離されるのを見るのをとても嫌がっている。両党がどうにか協力して、移民政策の改善に成功できるよう願っている」と説明。「米国は全ての法を順守する国であるべきだが、心ある統治を行う国家でなくてはならないと夫人は信じている」と語った。(c)AFP