【6月12日 AFP】マレーシアのマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)首相が、北朝鮮の首都平壌の大使館を再開する意向を表明した。同大使館は、昨年2月にマレーシアで発生した金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄の暗殺事件が外交対立を招いたことで、1年以上閉鎖されていた。

 金正恩氏の異母兄の金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏は昨年2月、クアラルンプール国際空港(Kuala Lumpur International Airport)で顔に神経ガスを塗布されて死亡。冷戦(Cold War)時さながらの暗殺事件は、世界中に衝撃を与えた。

 北朝鮮政府によるものと広く考えられている暗殺は、マレーシア政府との間で外交問題に発展。両国は自国内に滞在する相手国の市民の出国を禁止し、相手国の大使を国外追放する措置を取った。

 マレーシアの駐北朝鮮大使館には昨年4月以降、職員が配置されておらず、同国政府は大使館の恒久的な閉鎖と、中国の首都北京にある大使館への業務の移管を検討していると伝えられていた。

 そうした中でマハティール首相は、12日に公開された日本経済新聞(Nikkei)の英文媒体「Nikkei Asian Review」上で、「われわれは大使館を再開するつもりだ」とコメント。

 米朝首脳会談についても、会談前に行われたインタビューで楽観的な見方を示し、「もし北朝鮮が核兵器を放棄すると約束すれば、緊張は減る」「北朝鮮をそのまま受け止め、かつての硬直した姿勢を和らげるべく、国際間の交渉に参加させるべきだ」と述べた。(c)AFP