【6月5日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が3日、訪問先の韓国で行われた公開イベントで、フィリピン人女性の唇にキスをする一幕があった。これを受けてフィリピン国内の女性活動家らから、「不快極まりない」と批判の声が上がっている。

 この「キス騒動」があったのは3日夜、参加者の大半がフィリピン人というイベントでのことだった。ドゥテルテ氏はステージに上がったフィリピン人女性を前に自分の唇を指さし、「ここへおいで。私の(キス)はまだだが」と言った。そしてその女性から夫が会場に居ないと聞くと、彼には「冗談」だと説明すればいいと言ってキスをした。

 その後大統領は、好意的なムードで盛り上がった聴衆に対し「真面目にとらないでくれ。ただのおふざけだ」と話した。

 これを受けて女性の権利促進を目指す政党「ガブリエラ(Gabriela)」は、「女性を卑しめ、侮辱し、見下しても構わない対象とみなす女性蔑視の大統領による、不快極まりないパフォーマンスだと見ている」と切り捨てた。

 一方、実際にドゥテルテ氏のキスを受けた女性は国営フィリピン通信(PNA)に対し、大統領の行為に「悪意はなかった」と振り返っている。

 ドゥテルテ氏は過去にも、レイプを冗談の種にしたり、女性ゲリラは性器を撃てばよいなどといった女性にまつわる問題発言を行って怒りを巻き起こしている。(c)AFP