【5月29日 AFP】アフリカ中部ブルンジで、フランスの出資で同国の村に寄付された10頭のロバが物議を醸している。農業省は10頭に検疫を行うよう命じ、ロバの寄付には裏があるのではとの臆測も出ているという。

 問題のロバは隣国タンザニアで購入されたもので、農作物や水や木材を運搬する女性や子どもたちを支援する地元NGOによるプロジェクトの一環としてギテガ(Gitega)県の村に寄付された。

 ただ、ピエール・ヌクルンジザ(Pierre Nkurunziza)大統領の補佐官はこのプロジェクトについて「ブルンジに対する侮辱」と指摘。また、上院議長報道官のガビー・ブガガ(Gabby Bugaga)氏もツイッター(Twitter)への投稿で「ロバは欠陥の象徴」と持論を持ち出し、フランス人が「われわれをロバ扱いしている」と非難した。

 さらにデオ・ギドゥ・ルレマ(Deo Guide Rurema)農業相は27日、「外国動物の配送に関する規則上の手続きを無視した」として、10頭全てを直ちに没収するよう地元当局に命じた。

 しかしフランスのローラン・ドゥラウッス(Laurent Delahousse)大使はロバの寄付について、自身の知る限り適切な手続きを経ていると反論している。

 匿名を条件に取材に応じたある欧州の外交官の話によると、ブルンジでは今月行われた改憲をめぐる国民投票の結果、ヌクルンジザ大統領の在職が最長2034年まで可能となり、これをフランスが批判したことからブルンジ側は反発していたという。

 同外交官によると、ベルギーの資金でルイギ(Ruyigi)県で行われた同様のプロジェクトでは何の問題もなかったという。(c)AFP