【5月26日AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)は25日、全仏オープンテニス(French Open 2018)でキャリア初となる四大大会(グランドスラム)のシード選手となったことに加え、その機転でソーシャルメディアをにぎわせるスターになったかと思えば、テニスコートでは相手に恐怖心を与える選手に変化している自分の姿に対し、「不思議」な感覚があると語った。

 27日に開幕する全仏オープンの女子シングルスに大会第21シードとして出場する20歳の大坂は、今シーズンの大躍進を存分に味わっている。

 BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2018)ではマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)、現世界ランク1位のシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)、カロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)ら強豪選手を次々と倒し、ノーシードとしては2005年以来の優勝者を飾ると、さらにそのわずか数日後には、少女時代から憧れの存在だったセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)をマイアミ・オープン(Miami Open 2018)で撃破した。

 大坂はこの日行われたローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)での記者会見で、「以前なら、偉大な選手と1回戦で対戦していたら少し重圧を感じていました。今の自分は、大勢の選手が戦いたくないと思うような選手に成長しています。ですから、シード選手になって不思議な感覚ですし、周囲からの期待も感じています」と話した。

 一方、クレーコート大会では大きな試練が続いており、昨年の全仏オープンでは1回戦敗退という挫折を味わった。今シーズンもマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2018)では1回戦敗退、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2018)では初戦でビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)を破りながらも、ハレプの前に2回戦止まりとなった。

「マドリードでは、ハードコートのようなプレーをしてしまいました。ローマではクロスコートのショットが多すぎましたし、ハレプを相手に我慢のプレーをすることは理想的とはいえません。最後はとにかくフラストレーションを感じていました」

 大坂は自身の予測不可能な強打スタイルで相手を混乱させることに満足感を覚えており、「ストローク戦に持ち込み、私がミスをしないで相手がいら立ってくる様子を見ると手応えを感じます。相手のコーチは選手に、そのうち私がミスをすると話しているのです」と語った。

 昨年12月下旬以降、大坂はセレーナをはじめ、アザレンカやキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)の練習パートナーだったサーシャ・ベイジン(Sascha Bajin)氏に師事しており、マイアミでのセレーナ撃破は明らかにその影響が大きい。大坂の劇的な勝利以降、セレーナは大会に出場していない。

「おかしな話ですが、インディアンウェルズ(Indian Wells)で優勝したときよりも、セレーナに勝ったことの方が自信になりました。ずっと前から彼女と試合をしたいと思っていました。本当に特別な試合でした。今は毎日成長している気がします」

 大坂は全仏オープンの1回戦で米国のソフィア・ケニン(Sofia Kenin)と対戦する。(c)AFP/Dave JAMES