【5月12日 AFP】「犬が人をかんでもニュースにはならない」とよく言われるが、米アイオワ州で男性がペットの犬から銃で撃たれて負傷するという「事件」があり、現地メディアは11日、このニュースを伝えた。

 同州フォートドッジ(Fort Dodge)に住むリチャード・レミ(Richard Remme)さん(51)はソファーで横になりピットブルとラブラドルレトリバーの雑種である雄のバリュー(Balew)と遊んでいたところ、バリューがレミさんのベルトにあった口径9ミリの拳銃の安全装置を外してしまったとみられる。

 入院して治療を受けたレミさんは退院後、地元紙「メッセンジャー(The Messenger)」に、「ソファーに横になって犬とふざけて遊んでいた。膝の上に乗ってきた犬を振り落とすと、また飛び乗ってきていた」と語った。「飛び乗ってきた時に安全装置が外れ、また飛び乗った時に犬の足先がトリガーガード(引き金の周囲に付いている半円形のもの)の中に入ったんだと思う」

「安全装置は引き金にだけでなく、親指で操作するタイプのものも付いていたが、犬は両方とも外してしまった。私は弾が脚に当たって負傷したがたいした被害は何もなかった」

 レミさんは救急通報し「飼い犬に撃たれた」と伝えた。メッセンジャー紙の取材に応じた地元警察署長は「床に落とした銃が暴発したとか、ふざけていたら撃ってしまったという話は聞いたことがあるが、犬が発砲したという話は聞いたことがないと思う」とコメントした。

 警察はその後、捜査したがレミさんが話した内容を事実とも虚偽とも証明できなかったとして、この件で刑事責任を追求することは考えていないと発表した。

 銃規制強化を求める母親の団体「Moms Demand Action for Gun Sense in America」の創始者シャノン・ワッツ(Shannon Watts)さんは「犬に撃たれるなんて米国以外ではあり得ない」とコメントした。

 レミさんによると「とても弱虫」だというバリューにとってこの出来事はあまりに衝撃的だったようで、発砲後は「とてもおびえ」、床に伏せて泣いていたという。レミさんは「あいつは、何か叱られるような悪いことをしたと思ったんだ」と話した。(c)AFP