【5月9日 AFP】コンゴ民主共和国(旧ザイール)の保健省は8日、同国北西部でエボラ出血熱が新たに発生し、17人が死亡したと発表した。同省は「国際的な影響を伴う公衆衛生上の緊急事態」だと述べている。

 保健省は、5月3日付の通知の内容として、赤道(Equateur)州でこれまでに「出血兆候を伴う発熱の症例が21件、死者17人」が報告されたことを明らかにした。

 コンゴ民主共和国でエボラ出血熱の発生が確認されたのは9回目。エボラウイルスは1976年、当時ザイールと呼ばれていた同国でベルギー人研究者が率いるチームにより発見された。

 スイス・ジュネーブの世界保健機関(WHO)が発表した声明によると、コンゴ民主共和国で患者から採取した検体5件のうち、2件からエボラウイルスが検出された。WHOは「コンゴ民主共和国政府と緊密に協力し急速に対策を強化するとともに、医療関係各所を動員し、今回と同様の発生があった2017年に成功した対応モデルを利用する」と説明している。

 過去最悪とのエボラ出血熱流行は2013年12月、西アフリカのギニア南部で発生。その後、隣国のリベリアとシエラレオネにも広がった。WHOの推計では2万9000人近くの感染例が報告され、うち1万1300人が死亡したとされるが、実際の犠牲者数はこれよりもはるかに多かったとみられている。(c)AFP