【4月23日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は23日、中国企業の採用慣行に関する報告書を発表し、大手企業の求人広告における性差別がまん延しており、女性労働力にとって状況は悪化する一方だと強く批判した。

「男性限定:中国の求人広告における性差別(Only Men Need Apply: Gender Discrimination in Job Advertisements in China)」と題されたこの報告書では、「男性のみ」の募集や、女性に対して「スリム」で「容姿端麗」であることを応募条件にするなど、民間企業や公的機関による数々の法律違反が例示されている。

 こういった求人広告は、女性は男性より能力が劣り、家事を担うため仕事に専念できないという「旧態依然とした根強い差別観」を反映していると、報告書は指摘している。

 さらに、採用慣行における差別が原因で、女性労働力は縮小し、男女間の賃金格差は拡大。また同国ではこのような差別は違法であるにもかかわらず、規定があいまいで順守される方がまれだという。

 報告書によると、IT大手のアリババ(Alibaba、阿里巴巴)や騰訊(テンセント、Tencent)、百度(Baidu)はいずれも、男性希望を公然とうたう求人広告を過去に出しているという。

 またHRWはアリババが採用活動において、魅力的な女性同僚の存在を繰り返し売りにしていると批判。また騰訊や百度、華為(ファーウェイ、Huawei)も、女性従業員の美しさをアピールする大手企業に含まれているとしている。(c)AFP