【4月13日 AFP】第2次世界大戦(World War II)の大半を通して、連合軍の爆撃機は旧ドイツ軍最大の戦艦ティルピッツ(Tirpitz)を撃沈しようと何度も攻撃を試みた。ティルピッツを「野獣」と呼び習わしていた当時のウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)英首相はその存在を大きな脅威とみなしていた。

 ティルピッツは1944年の後半についに撃沈されたが、連合軍がなぜそこまでこの戦艦を攻めあぐねていたかについて、その理由を明らかにしたとする樹木の専門家チームが11日、欧州地球科学連合(EGU)総会で研究結果を発表した。

「物語は年輪に刻まれていた」と、独ヨハネス・グーテンベルク大学(Johannes Gutenberg University)の研究者クラウディア・ハートル(Claudia Hartl)氏は述べる。

 第2次大戦の戦いの思いも寄らない痕跡が発見されたのは2016年夏、ハートル氏が学生らを引率し、ノルウェー北部沿岸にある数十のフィヨルドの一つ、コーフィヨルド(Kafjord)周囲の森林で所定の調査を行っていた時だった。

 ハートル氏は、AFPの取材に「研究室に戻り、年輪を計測したところ、幅が非常に狭く、中には幅がほとんどないものもあることが分かった。それが1945年の年輪だった」と話す。

 これは、森林が環境の大異変に見舞われたことを意味している。「原因は何か、という疑問が湧き上がったのは言うまでもない」と同氏。

 当初は昆虫の侵入を疑ったという。しかし、20世紀半ばにこの種の環境的な打撃をもたらした可能性のある昆虫がスカンジナビア(Scandinavia)北部に存在したことは知られていない。

 今回の研究に参加した米ミネソタ大学(University of Minnesota)環境研究所(Institute on the Environment)の地理学者、スコット・セント・ジョージ(Scott St. George)氏はAFPの取材に「ノルウェー北部トロムソ(Tromso)を拠点とする地元の科学者と話をして初めてティルピッツとの関係に気が付いた」と話した。