【4月12日 AFP】北朝鮮は11日、国会に当たる最高人民会議を平壌で開催し、指導部の人事や国家予算を決めた。国営メディアが伝えた。ただ、米国や韓国との首脳会談を控える金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は出席しなかったもようだ。

 朝鮮中央通信(KCNA)が配信した記事では、金委員長への言及がなかった。朝鮮労働党の機関紙、労働新聞(Rodong Sinmun)が掲載した万寿台議事堂(Mansudae Assembly Hall)の写真でも、上座中央の金氏がいつも座る席は空席となっていた。

 最高人民会議は党の決定を追認するだけの機関。韓国統一省によれば、金委員長は就任した6年前以降、今回を除いて8回開催された同会議のうち6回に出席していた。

 朝鮮中央通信によると、今回の会議で重点的に審議されたのは国家予算や指導部の人事だった。歳出に占める国防費の割合はほぼ変わらず15.9%とした。

 人事では、金氏の最側近と目されていた黄炳瑞(ファン・ビョンソ、Hwang Pyong-So)前朝鮮人民軍総政治局長を国務副委員長から解任。ほかに高官3人も解任した。

 韓国の国家情報院は昨年、黄氏と金元弘(キム・ウォンホン、Kim Won Hong)朝鮮人民軍総政治局副局長が党に対する「不純な態度」を示したとして処罰されたと報告していた。(c)AFP