【4月12日 AFP】在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は11日、シリア軍が首都ダマスカスの主要な防衛施設から退去したことを明らかにした。化学兵器使用疑惑を受けて欧米諸国が検討に入った空爆の標的にされることを恐れたためとみられる。

 監視団によると、ダマスカスにある国防省と軍の本部は2日間無人になっている。バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側はさらに、ダマスカス以外にある軍用空港や、精鋭部隊である第4機甲師団(Fourth Division)と共和国防衛隊(Republican Guard)の基地からも要員を退避させたという。

 政権側部隊の関係筋はAFPの取材に対し、「シリア軍は、軍用空港や基地を中心に予防的な措置を講じた」と述べた。シリア側は、米国が攻撃を行う場合には事前にロシアに通告すると見込んでいるという。

 米国とフランスは、政権側がダマスカス近郊の東グータ地区ドゥマ(Douma)で7日に化学兵器によるとみられる攻撃を行い死者が出たことを受け、強力な対応を取ると警告している。(c)AFP