【4月7日 AFP】米ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は6日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に近い実業家で、同国で大きな影響力を持つ新興財閥(オリガルヒ)の7人に制裁を科した。

 制裁対象のオリガルヒは、米国の管轄権が及ぶ地域に保有する資産がすべて凍結される可能性がある。対象には、金属業界の大物で、ロシア政府のために活動しているとされるオレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)氏や、ロシア天然ガス大手の国営企業ガスプロム(Gazprom)のアレクセイ・ミレル(Alexei Miller)社長が含まれる。

 また、数百万ユーロの現金をスーツケースに詰めて持ち込んだとしてフランスで捜査対象となっているスレイマン・ケリモフ(Suleiman Kerimov)氏と、プーチン大統領の義理の息子とされるキリル・シャマロフ(Kirill Shamalov)氏も対象となった。シャマロフ氏は既にプーチン氏の娘と離婚したとも報じられている。

 今回の制裁では、オリガルヒ7人に加え、7人が所有・支配する企業12社とロシア高官17人、国営兵器輸出企業ロボソネクスポルト(Rosboronexport)も対象となった。同社は先進的な装備を世界中に販売することで、プーチン大統領によるロシア軍近代化の取り組みにおいて重要な役割を担っている。

 ある米高官は今回の措置について、ロシア政府による「世界中での悪意ある行動」に対応する措置だと説明。「ここには、クリミア(Crimea)占領、ウクライナ東部での暴力の扇動、シリア・アサド政権に対する支援(中略)現在進行中の悪意あるサイバー活動が含まれる」とした一方で、「最も重要な点は、これが西側の民主主義を覆すためロシアが続けている攻撃への対応であるということだ」と述べた。

 米当局者らはオリガルヒを対象とする一連の措置について、米大統領選へのロシア干渉疑惑と部分的に関係していることを認めた一方で、米当局の懸念はより幅広い性質のものだと強調した。(c)AFP/Dave Clark