【4月2日 AFP】フランス国鉄(SNCF)は2日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領(40)による改革案に抗議し、3か月に及ぶ大規模なストライキに突入する。同国ではこのSNCFのストを皮切りに、今後エネルギーからごみ収集に至るさまざまな部門でストが行われる見通しとなっている。

 SNCF職員らは同日午後7時(日本時間3日午前2時)からストに入り、以後5日間のうち2日、列車を一部運休する。組合側は、国内450万人の列車利用者らに大きな影響が出ると警告している。

 負債を抱えるSNCFの抜本改革に対するストが本格化するのは、メディアが「暗黒の火曜日」と名付けた3日からで、高速鉄道TGVでは8本中1本のみ、ある地方路線では5本中1本のみの運行となる。

 6月28日まで続く見通しの鉄道ストは、国を刷新し競争力を高めようとするマクロン大統領の一大計画にはだかる最大の障壁になるとみられており、故マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)英元首相が1984年に臨んだ炭鉱組合との一大決戦に比する見方もある。

 欧州連合(EU)加盟諸国が2020年までに旅客鉄道市場を開放しようと準備を進める中、マクロン政権は同国内での列車運行費用が他国に比べて3割増になっていると指摘し、SNCFは抜本的改革を要すると訴えている。

 これに対し組合側は、政府が否定しているSNCF民営化の第一歩になると危惧するとともに、SNCF職員にこれまで認められてきた終身雇用と早期退職の特権を、新規雇用者に付与しない計画に反対している。

 昨年5月のマクロン大統領選出以来、労働運動において最大の山場となる一連のストでは、ごみ収集やエネルギー部門、エールフランス(Air France)の職員らも、3日にストに踏み切る方針を発表している。(c)AFP/Katy Lee