【3月29日 AFP】大韓航空(Korean Air)の旅客機内で受けたサービスに激怒し、離陸を遅らせた2014年のいわゆる「ナッツ事件」で逮捕・起訴された同社の前副社長、趙顕娥(チョ・ヒョナ、Cho Hyun-Ah)氏(44)が29日、グループ会社の経営陣に復帰したことが明らかになった。同社の広報担当が明らかにした。

 広報担当によると、29日の株主総会において趙氏を同社の子会社「KALホテルネットワーク(KAL Hotel Network)」の社長に就任する案が承認されたという。

 大韓航空会長の長女で副社長だった趙被告は2014年12月5日、ニューヨークからソウルへ向けて離陸直前の同航空機内で、女性の客室乗務員がマカダミアナッツを皿に出さず袋のまま提供したことに激高。この女性と乗務員責任者に土下座して許しを請うよう強要し、女性をサービスマニュアルでたたくとともに、滑走路へ移動中だった機体をターミナルに引き返させてこの責任者を降ろさせた。

 高慢さや悪行でたびたび世間をにぎわせる財閥一族の子弟たちが関わった事件の中でも、この件は最も悪名高いものとなり、国民からの強い非難を招いた。趙氏は謝罪するとともに副社長職を辞任。また、4つのホテルを所有するKALホテルネットワークの最高経営責任者(CEO)も退いた。

 同氏は航空保安法違反などの罪で起訴され、昨年12月に最高裁で、懲役10月、執行猶予2年の有罪判決が確定していた。(c)AFP