【3月27日 AFP】中国の首都北京に26日に到着した、緑色の車体に黄色い線の入った北朝鮮の列車について、乗っているのが金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長ではないかという臆測が広がったのは、正恩氏の父親である故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が生前使用した列車に酷似していたからだった。

 飛行機嫌いだった正日氏は最高指導者だった1994~2011年の間に、中国へは7回、ロシアへは3回、いずれも厳重に警備された列車で訪問。

 北朝鮮の公式記録によると、正日氏が2011年に心臓発作で死去したのも、「現地視察」のため列車に乗っていた際だったという。

 報道によれば金一族は、平壌の工場で製造されたほぼ同一の特別列車を複数所有しているとされる。通常、機関車両2両と客車17~21両で構成され、運行速度は時速60キロ以下。

 朝鮮日報(Chosun Ilbo)は、装甲板で覆われた列車には、衛星電話や複数のテレビスクリーン、会議室、寝室、宴会場が完備され、装甲車両や緊急用の小型ヘリコプターも搭載されているとしている。

 韓国の報道によると、正日氏およびその父の故金日成(キム・イルソン、Kim Il Sung)氏の外遊時には、警備上の理由で全く同じ3つの列車が運行された。

 中央日報(Joongang Ilbo)によると、今回北京入りした列車は、2010年に正日氏が北京を訪れた際に使用されたものと特によく似ているという。(c)AFP