【3月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は23日、心と体の性別が一致しないトランスジェンダー(性別越境者)の米軍入隊を全面禁止する覚書を撤回する代わりに、入隊を大幅に制限する新たな覚書に署名した。

 トランプ大統領は昨年8月、トランスジェンダーの人々の入隊を事実上禁止する覚書に署名したが、複数の異議申し立てがあり、首都ワシントンの連邦地方裁判所は大統領令の差し止めを命じていた。

 新たな覚書は昨年8月に署名した覚書の修正版で、国防総省は新たな覚書で述べられている制限の詳細をまとめた報告書を発表した。

 それによれば、「入隊資格があるトランスジェンダーは、別の性に移行しておらず、過去または現在、医師に性別違和と判断されていない人々」で、心身の健康基準および「生物学的性に関連した基準に従える人々」としている。

 また、「性転換処置は性別違和に関係した心の健康の問題を完全に改善するわけではないので」、性転換処置を受けた人々は入隊が禁止される。

 一方で、性別違和と医師に判断されたことがある場合でも、「自認する性別で36か月連続で安定していることを証明できれば」入隊が認められる、といった例外を示している。

 正確な人数は不明としながらも、国防総省は、この方針によって多数のトランスジェンダーが入隊不適格と見なされる可能性があると認識していると述べている。(c)AFP/W.G. Dunlop