【3月22日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との電話会談で、プーチン氏の再選に祝意を示すという衝撃的な決定に至った経緯に関する内部情報が漏えいした。面目をつぶされた形のホワイトハウス(White House)からは怒りの声が上がっており、ある高官は今回の漏えいが違法行為に当たる可能性もあると指摘している。

 プーチン氏との電話会談に備えトランプ氏が渡されていたメモには、「祝辞は述べないように」との警告も含まれていたが、トランプ氏はこれを無視。ホワイトハウス内では現在、このメモを流出させた人物の特定が進められている。

 側近の一部はプーチン氏に電話をかけること自体をすべきでないと助言していたが、トランプ氏はこれにも耳を貸さなかった。さらに、プーチン氏が通算4期目をかけ臨んだ大統領選では得票数の水増しの証拠やメディア検閲、政敵らの収監といった問題が影を落としていたのにもかかわらず、トランプ氏はプーチン氏の当選に祝意を示した。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)などの報道によると、側近らはトランプ氏に対し、プーチン氏に祝辞を述べるべきではなく、英国でのロシア人元スパイ殺害未遂事件を非難すべきだと明確に助言していた。だがホワイトハウスとロシア大統領府の説明によれば、トランプ氏は電話会談でどちらの助言も聞かなかった。

 大統領執務室(Oval Office)でのやり取りに関する重要情報が漏えいした事実は、トランプ氏の場当たり的なやり方や、側近らの助言を無視する姿勢に対し、ホワイトハウス内で不満が高まっていることを示している。この電話会談の詳細を知っていたであろう高官は非常に少なく、政権最高位の職員と大統領自身のみに限られる。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた高官らによると、ホワイトハウスでは情報漏えい者捜しが開始されたという。ある高官は、電話会談用の文書は機密情報だった可能性があり、そうであれば漏えいは犯罪になると語った。(c)AFP