【3月21日 AFP】台湾は21日、中国の空母「遼寧(Liaoning)」が台湾海峡(Taiwan Strait)を通過したことを受け、航空機を緊急発進(スクランブル)させ、艦船を現場の海域に向かわせていたことを明らかにした。中国は、米国で先週、最高レベルの政府高官の台湾渡航を可能とする「台湾旅行法(Taiwan Travel Act)」が成立したことなどに反発し、中国を分断しようとする動きに警告を発している。

 遼寧と同行する数隻の艦船は20日に台湾の防空海域に進入。同日、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕式で演説し、「中国を分断しようとする、いかなる行動やたくらみも失敗する運命にあり、国民に非難され、歴史に罰せられる」と警告するとともに、世界における正当な地位を回復するための「血みどろの戦い」に挑む準備はできていると述べた。

 昨年1月に初めて台湾海峡を航行し、中台間に緊張を招いた遼寧は、今年1月にも同海峡を航行している。

 台湾の厳徳発(Yen De-fa)国防部長(国防相)は21日、立法院(議会)で遼寧の最新の動きについて聞かれ、「われわれは遼寧の(中国と台湾の)海域をまたいだ演習のすべての過程を監視している」と述べた。

 また国防部は声明で、航空機と艦船は監視のために派遣し「不審な動きは確認されなかった」と述べている。(c)AFP