【3月20日 AFP】昨年5月にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に米連邦捜査局(FBI)長官職を解任されたジェームズ・コミー(James Comey)氏の暴露本が、発売前にして米通販最大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)のベストセラーランキングのトップに躍り出た。トランプ氏の度重なるコミー氏への批判が逆に同書への注目を高めた格好だ。

 コミー氏の著書「A Higher Loyalty: Truth, Lies, and Leadership(高い忠誠心:真実とうそとリーダーシップ)」は4月17日発売予定だが、先週末にアマゾンの全ジャンルの本を対象にしたベストセラーランキングで1位となった。19日には2位に後退したものの、ノンフィクション部門では依然として1位を維持している。

 トランプ氏は17日にツイッター(Twitter)で、「うそつきのジェームズ・コミー」と同氏を批判していた。

 これに対しコミー氏も「大統領閣下、米国民は間もなく私の話を聞くことになる。称賛に値する人物は誰か、そうでない人物は誰なのか、彼ら自身で判断できるだろう」とツイッターで反論している。

 電撃解任から1年近く沈黙を守ってきたコミー氏だが、辛辣(しんらつ)なタイトルの著書の発売後にはメディアとのインタビューが多数予定されている。

 FBI長官として2016年の米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査していたコミー氏は昨年5月、捜査に不満を持っていたトランプ氏に解任された。その後、コミー氏はトランプ氏から捜査打ち切りの圧力があったと示唆する内容のメモを公開している。

 16日に司法省がFBIのアンドリュー・マケイブ(Andrew McCabe)副長官を解雇したことも、コミー氏の暴露本には追い風となったようだ。

 トランプ氏は「アンドリュー・マケイブがクビになった。FBIの勤勉な男女職員にとって素晴らしい日だ――民主主義にとって素晴らしい日だ」とツイッターに投稿し、マケイブ氏解雇を称賛していた。(c)AFP