【3月17日 AFP】英国に亡命したロシア人元実業家のニコライ・グルシュコフ(Nikolai Glushkov)氏(68)が不審死した事件で、ロンドン警視庁(Metropolitan PoliceScotland Yard)は16日、殺人容疑で捜査を開始したと発表した。検視の結果、死因は「首への圧迫」と判明したという。

 グルシュコフ氏は12日夜、2年前から居住していたロンドン南西部の自宅で遺体となって発見された。同氏はロシアで資金洗浄(マネーロンダリング)と詐欺の容疑で拘束され、裁判にかけられた後、英国へ政治亡命していた。

 グルシュコフ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領反対派だった故ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)氏とつながりのある人物だった。

 ロシアで大きな影響力を持つ新興財閥(オリガルヒ)だったベレゾフスキー氏は、一時はプーチン氏を支持していたものの、後に反プーチン派に転向。2013年にロンドン郊外の自宅の浴室で首つり遺体で発見された。

 ベレゾフスキー氏の検視では詳しい死因は不明とされたが、英当局は現在、同氏を含むロシア関係者らの過去の不審死について再調査を行っている。

 英警察が殺人容疑での捜査を開始する直前には、ロシアで重大事件の捜査を担当する連邦捜査委員会(Investigative Committee)が、グルシュコフ氏の死に関する独自捜査の開始を発表していた。

 英国では今月4日、ロシア人元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏と娘のユリア(Yulia Skripal)さんが神経剤で襲撃される事件が起きているが、グルシュコフ氏の事件とは無関係とみられている。(c)AFP