【3月6日 AFP】4日に実施されたイタリア総選挙では5日、ポピュリスト政党の「同盟(The League)」と「五つ星運動(M5S)」がいずれも勝利宣言を行い、政権をめぐる争いを繰り広げた。一方、敗北した中道左派の与党・民主党(PD)で党首を務めるマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)前首相は辞任を表明するとともに、「過激主義の風」に対して警鐘を鳴らした。

 開票がほぼ終了した時点での得票率は、反移民政党の「同盟」率いる右派連合が約37%、反エスタブリッシュメント(既成勢力)の「五つ星」が32%となっている。

「同盟」のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)書記長と、「五つ星」の首相候補ルイジ・ディマイオ(Luigi Di Maio)氏はいずれも、政権を発足させる意向を表明。だが、政党間の交渉には数週間から数か月かかる見通しで、人口6000万人を抱えるユーロ圏第3位の経済大国イタリアに政治的空白が生じている。

 欧州連合(EU)支持派の与党・民主党の得票率は第3位にとどまり、同党を率いるレンツィ前首相は、辞任の必要性は「明白」だと表明。同時に、イタリアに吹く「過激主義の風」に警鐘を鳴らし、今後発足するポピュリスト政権で民主党が「松葉づえ」の役割を果たす可能性はないと断言した。

 今回の選挙ではレンツィ前首相のほかに、同国の首相を3度務めたシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏も大敗を喫した。右派連合に所属する各政党の得票率は、「同盟」が18%で首位となった一方、ベルルスコーニ氏が率いる「フォルツァ・イタリア(Forza Italia)」は14%に低下した。(c)AFP/Lucy ADLER