【3月2日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は1日、首都モスクワで行った年次教書演説で、米国がもたらす脅威への対抗措置として開発した新世代の「無敵」兵器を誇示した。米ロの新たな軍拡競争の幕開けを思わせる動きとなった。

 プーチン大統領の教書演説は例年、大統領府(クレムリン、Kremlin)で行われるが、今年は近くのエキシビションセンターを使い、山岳地帯や大西洋(Atlantic Ocean)などの海洋地域を飛ぶミサイルの映像を駆使した。

 米国は先月、保有核兵器の刷新と低出力の新型核兵器開発に向けた計画を発表しており、プーチン大統領は米国の最近の行動への対抗措置として、ロシアが進める軍拡の取り組みを紹介した。

 2時間近くに及んだ演説でプーチン氏は、自身が2004年に行った演説を引用し、当時表明した新世代兵器開発の公約は既に達成されたと表明。音速の20倍で飛び、上下に誘導可能で、他のどの国も保有していないとする新ミサイルシステムの実験について説明し、「いかなる形態の防空・ミサイル防衛に対しても完全に無敵」な「理想の兵器」とうたった。

 プーチン氏はまた、潜水艦や魚雷よりもずっと高速で動き、核弾頭も搭載可能な無人潜水機も開発したと述べ、「とにかく素晴らしい!」と付け加えた。

 今回の演説では軍事以外にも経済・社会政策にも触れており、今月18日に実施される大統領選を前に国民にアピールする狙いがあったともみられている。(c)AFP/Theo MERZ, Victoria LOGUINOVA-YAKOVLEVA