【2月27日 AFP】台湾で、トイレットペーパーの価格が近く引き上げられるといううわさが広がり、市民が買いだめに走る騒ぎが起きている。これを受けて頼清徳(William Lai)行政院長(首相)は27日、冷静になるよう市民に呼び掛けた。

 規模を問わず多くのスーパーでは、人々の買いだめにより、トイレットペーパーやキッチンペーパー、ボックスティッシュの陳列棚が空になった。

 大手インターネット通販でも売り切れ続出で、網路家庭(PChome)という通販サイトでは、3日間でトイレットペーパー500万パックが売れたという。

 頼行政院長は記者団に対し、「パニックに陥らず、買い急がないようお願いしたい」と述べ、「供給量は十分だ」と断言した。

 今回の買いだめ騒動は、大手の大型スーパーに対しメーカー側が、国際的なパルプ価格の値上がりを理由に来月中旬から1~3割の値上げを行うと通知したことに端を発している。

 同国の公平交易委員会(Fair Trade Commission)も問題の調査に乗り出し、同日メーカー大手3社と小売り大手5社の代表と協議して価格協定を結ばないようくぎを刺した。

 インターネット上には、メーカーなどによる価格協定を政府が黙認しているという非難の声も上がっていた。(c)AFP