【2月24日 AFP】2016年米大統領選へのロシア介入疑惑をめぐる捜査が進む中、ドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営の選対本部長の側近を務めていたリック・ゲイツ(Rick Gates)被告が23日、司法取引に応じた。

 刑を軽くすることと引き換えにロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官の捜査に協力することになった元トランプ陣営幹部はゲイツ被告で3人目。前米大統領補佐官(国家安全保障担当)のマイケル・フリン(Michael Flynn)被告、トランプ陣営の外交政策顧問を務めていたジョージ・パパドプロス(George Papadopoulos)被告が虚偽の申告をしていたことを認めて司法取引に応じている。

 ゲイツ被告とマナフォート被告は昨年10月30日、2006~14年にロシアが支援するウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領(当時)に雇われていた時の業務に絡み、7500万ドル(約80億円)の資金洗浄(マネーロンダリング)と脱税の罪で起訴された。両被告は、米政府に外国政府代理人として登録せずに不法に外国政府(この場合はウクライナ)のロビイストとして活動していた罪でも起訴された。

 しかしゲイツ被告は23日、ワシントン連邦地裁で、当初起訴された罪より大幅に刑の軽いオフショア銀行口座を報告せずに米政府に対する詐欺行為を共謀した罪とウクライナの代理人として働いたことに関してうそをついた罪を認め、司法取引に応じた。これはフリン被告とパパドプロス被告に提示された司法取引と同様のものだ。これによりゲイツ被告は、司法取引を拒み続けている元トランプ陣営選対本部長ポール・マナフォート(Paul Manafort)被告と対立する立場に身を置くことになった。

 ゲイツ被告が認めたそれぞれの罪の刑罰は最大で禁錮5年と罰金25万ドル(約2700万円)だが、量刑はモラー特別検察官の広範な捜査への協力次第だ。モラー氏は現在のトランプ政権とトランプ一族のメンバーを含むトランプ氏周辺の大勢の人物に焦点を当てて捜査を進めているほか、トランプ氏がロシア疑惑の捜査を妨害した疑惑についても調べている。

 ゲイツ被告とマナフォート被告は22日、上記の罪とは別にウクライナから得た収益の米国への移転に絡む銀行詐欺と脱税の罪で、バージニア州の裁判所に起訴されている。(c)AFP