【2月22日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の就任から1年の間に、米国内でヘイト(憎悪)グループの数が、同大統領の人種差別を扇動するような姿勢に同調する形で増加したとする調査結果が21日、発表された。

 公民権擁護団体の「南部貧困法律センター(SPLC)」の過激派団体に関する年次調査によると、昨年のヘイトグループやその支部団体の数は4%増の954で、トランプ氏の影響を受けたとみられる「オルト・ライト」(オルタナ右翼)運動や白人至上主義団体は、アフリカ系米国人団体などから反発を招いている。

 SPLCが「The Year in Hate and Extremism(憎悪と過激思想の年)」と題した報告書は「トランプ氏が大統領に就任してから最初の1年間は、同氏の選挙活動に現れていたように、人種的不和をもたらすことが証明されただけでなく、より明確な結果を生じさせた」と述べた。

 2017年は、8月にバージニア(Virginia)州シャーロッツビル(Charlottesville)で、白人至上主義者らによる集会の参加者とこれに反対する人々が激しく衝突し、その際、人だかりに車が突入して死傷者が出た事件のように、人種的対立はより表面化した。報告書によると、ネオナチ(Neo-Nazi)団体の数も、大学生を勧誘するなどして99団体から121団体に増加。また、反ムスリム(イスラム教徒)団体の数も101団体から114団体に増加したという。

 SPLCのハイディ・バイリック(Heidi Beirich)氏は「トランプ大統領が率いた2017年は、人種差別が国政の最上層部に容認され、移民は追い出され、イスラム教徒は入国を禁止される、白人至上主義団体が望む社会を反映していた」と述べた。

 同氏は「2018年に入って間もなく、トランプ氏はすでにアフリカ諸国を『肥だめ』と呼び、その口調を変えるつもりがないの明らかだ。白人至上主義団体にとって心地よい響きだ」と述べた。(c)AFP