【2月22日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊にある反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)で続く空爆により多数の民間人死者が出ている問題で、ロシアは21日、空爆への関与を否定するとともに、国連安全保障理事会(UN Security Council)の会合を22日に開催することを要請した。同地区での空爆は4日間に突入し、死者数は300人を超えた。

 東グータは、暴力の抑制を目的とする「緊張緩和地帯」に名目上は指定されているが、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は地上部隊による奪還作戦の準備を進めているとみられる。

 21日には新たな空爆により少なくとも38人の民間人が死亡。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、18日以降の死者数は310人に達し、うち少なくとも72人が子どもだった。

 ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は、ロシアが空爆を実施したとした米国の発表に対し、「根拠のない非難だ。何に基づいているのか明確ではない。具体的なデータが明かされていない」と反論した。

 シリア人権監視団も、空爆はロシアの戦闘機によるものだと非難している。政府軍の包囲下にある東グータではただでさえ医療が行き届いていないが、空爆によって重要な病院が診療停止に追い込まれ、民間人が一段と診療を受けにくくなっている。

 ロシアのワシリー・ネベンジャ(Vassily Nebenzia)国連大使によると、同国は東グータで続く暴力をめぐる安保理会合を22日に開催するよう要請。同大使は安保理に対し、会合で率直に議論することで、各々が「自らの見方、自らの状況に対する理解を示し、現状を抜け出す方策を見いだす」ことができると述べた。(c)AFP