【2月21日 AFP】シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)で20日、シリアとロシアの両軍による空爆があり、民間人100人以上が死亡した。同地区で3日前から続く爆撃の死者は250人に達し、病院も被害を受けて運営不能に陥る事態となっている。

 政府軍は18日から東グータに対する空爆やロケット砲、大砲による攻撃を続けており、地上戦への準備とみられている。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、19日の爆撃だけで子ども39人を含む民間人127人が死亡。東グータでの1日の犠牲者数としては過去4年間で最多となった。さらに翌20日の爆撃でも子ども19人を含む民間人少なくとも106人が死亡し、2日連続で100人以上が死亡する事態となった。

 また医療救援団体「シリア系米国人医療協会(SAMS)」によれば、20日には東グータのイルビン(Arbin)にある主要病院が2度の空爆を受けて運営不能に陥った。シリア人権監視団は、空爆はいずれもロシアが実施したものとしている。イルビン入りしているAFPカメラマンは同日、ロシア軍のスホイ34(Su-34)戦闘機が上空を飛ぶのを目撃した。

 ロシアは昨年、東グータを「緊張緩和地帯」に指定しており、監視団によるとロシアが同地区を攻撃したのは過去3か月で初めて。国連(UN)は、東グータではこのほかにも過去48時間に病院6か所が攻撃を受けたと発表している。

 国連のパノス・ムムツィス(Panos Moumtzis)人道調整官(シリア危機担当)は、民間人を標的にするのは「即時中止しなければならない」と訴えた。(c)AFP