【1月16日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相の訪問を控えるルーマニアのミハイ・トゥドセ(Mihai Tudose)首相は15日、政権内での権力争いが原因で与党内からの信任が得られず、辞任した。同国は7か月前にソリン・グリンデアーヌ(Sorin Grindeanu)前首相が同様の理由で辞任したばかりだった。

 ルーマニアは欧州連合(EU)諸国の中の最貧国の1つであり、汚職がまん延している。安倍首相による歴史的な訪問の前日に起きた辞任騒動は、同国で新たな混乱を招きそうだ。

 トゥドセ首相は、同日夜に行われた同党の幹部会で行われた採決で、与党である左派の社会民主党(PSD)の有力議員らが不信任を突きつけたことから、辞表を提出した。

 与党である社民党が首相を引きずり降ろしたのはここ1年で2度目。昨年6月に当時のグリンデアーヌ首相が社民党のリビウ・ドラグネア(Liviu Dragnea)党首と対立した後、社民党は不信任動議を可決した。

 一連の動きを影で操っているとされるドラグネア党首は、詐欺罪で有罪判決を受けているために首相になることはできない。

 ドラグネア党首はグリンデアーヌ氏の後任として、経済相だったトゥドセ氏を首相に指名したが、2人の関係はここ数か月で悪化していた。(c)AFP